皆さんこんにちは。小林です。
実は7月、ポーランドへ視察に行ってきました。
ポーランドは国家政策として水鳥の品種改良に取り組んでいる国で、徹底した管理体制のもと水鳥を飼育しています。
この管理体制があるからこそ、気候や環境によって左右されやすいと言われる羽毛も、
安定した品質の羽毛を手に入れることができるのです。
弊社もポーランドの羽毛メーカー【アニメックス社】から数種類の羽毛を取り扱っておりますが、
毎年仕入れる羽毛の品質は申し分ありません。
昨年もポーランドの視察へ行きましたがこの時は、ポーランドグースの基と成る
コウダ・ビィエルカ動物科学研究所を視察して、ポーランドで最高級な羽毛が出来る秘密を確かめる事が出来ました。
今年はアニメックス社のトレーサビリティシステムを視察するためにポーランドに行ってきました。
この視察ではコウダ研究所から受け取ったマザーグースのヒナを育て、親鳥を飼育しているマザーグース農場と
マザーグース農場から受け取ったヒナを成長に育てるレギュラーグース農場の飼育現場を2ヵ所、成長した鳥から
羽毛を採取する精肉工場、最後に精毛加工工場の計4ヵ所を回りました。
これで、アニメックス社が純粋の最高品質ポーランド羽毛を輸出する全工程を視察する事が出来ました。
今回はその視察について長くなりますが皆さまにご報告させていただきたいと思います。
まず初日に【マザーグース農場】を訪問しました。
ポーランド北部のポメラニアン地方、スワスキーにありますウストフスキーさんの農場へお邪魔してきました。
この農場では、1,500羽のマザーグースを、ウストフスキーさんと奥様、息子さん一家で飼育しています。丘の上にある農場は自然に囲まれた広大な土地で、澄んだ空気ときれいな水、そして緑がいっぱいの環境です。
この農場では徹底したグースの健康管理がされています。
まず、エサにこだわりがあります。
農場で、カラス麦とハーブなどの薬草を栽培し、グース達に与えていて、農薬などの化学物質は一切使用せず、
自然の食べ物で飼育しています。
また、飼育小屋も屋根を高くしてグース達に圧迫感を感じさせないよう配慮された環境で育てられます。
2日目は【レギュラーグース農場】を訪問。
ポーランド北部のマズーリ地方、バルミンスコマズルィスキにあるガンサシさんの農場へ。
こちらの農場もガンサシさんご夫婦と息子さん一家の家族経営農場で、
訪問したときは14週目が2,500羽、4週目が3,000羽のグースを飼育されていました。
14週目のグースは広大な土地で放牧され、カラス麦や牧草を食べながら野外で飼育されます。
反対に4週目のグースは、成鳥になっていないため、小屋で飼育して日中は野外へ出します。
成鳥になると野外で飼育されます。
このように成長した鳥は野外で、未熟なヒナは小屋でと異なる飼育期間のグースを同時に飼育しています。
農場の環境は1日目に訪問したマザーグース農場と同じく広大な草原地と湖がある水に困らない土地で、
近くには工場などがなく空気の澄んだ自然豊かな中で、
レギュラーグース達は自由に動きまわりながらストレスを感じさせないよう大事に飼育されていました。
そして2日目は農場の他に【アニメックス・イワバ工場】へもお邪魔してきました。
この工場は、今回お世話になったアニメックス社がもつ4か所ある大規模な精肉工場の内の1つで、
マズール地方のイワバにあります。
ここで加工される羽毛の採取方法の特徴は、屠畜したグースの羽毛を各部位毎に人の手で採取することです。
手で採取することは非常に手間がかかってしまいますが、
羽毛を傷めないためファイバーの少ない粗毛を取ることができるのです。
また、各部位毎に羽毛を採取することで品質の安定した精毛になり、羽毛の選別工程が効率よく行われます。
採取した羽毛はすぐに洗浄と乾燥が行われ、その後プリウォッシュされた羽毛は部位毎に袋詰めされます。
その袋に採取したグースの情報をバーコードで管理し、
部位の番号が書かれたラベルを付けた羽毛のトレースが行われていました。
多くの羽毛精毛加工会社では、屠畜して採取されたプリウォッシュダウンを購入して加工するため、
グースの飼育から屠畜までのトレースは購入先からの情報に依存しなければなりませんが、
アニメックスでは自社契約農場からグースを購入し、自社の精肉工場で屠畜しているので、
完全な生産トレースが実現できるのです。
また、羽毛精毛のことを十分に考慮したグース肉の加工が行われていますので高い品質の羽毛が生産されています。
●アニメックス社のトレースの流れ●
①コウダヴィエルカ研究所(親鳥のヒナを購入)⇒②ヒナを契約しているマザーグース農場へ移し、
親鳥を飼育⇒③親鳥の産んだ卵を購入する⇒④卵をアニメックスの孵化施設で孵化させる
⇒⑤ヒナを契約しているレギュラーグース農場で飼育
⇒⑥成長したグースをアニメックスの精肉工場へ移す⇒⑦工場で羽毛を採取し、プリウォッシュ羽毛を生産する
⇒⑧自社精毛加工工場で清潔な羽毛に仕上げられる⇒⑨輸出する
●アニメックスと飼育農場の主な契約内容●
飼育数量:4,000羽
目減り数量:10%以内
飼育期間・体重・体の形・羽毛の色などが記載されている。
以上の生産システムはアニメックスならではのシステムで、
今回実際に見学できたことで生産トレースシステムのことをより理解することができて非常に良かったです。
3日目は【ドブチツェ精毛加工工場】を訪問しました。
ここはアニメックスの羽毛加工の場所で今回が3回目の訪問となります。
今回の訪問では、羽毛を洗浄するために一番大切な水がどの様になっているのかを確認してきました。
その水源となるドブチツェ湖は山のふもとにあるダムで出来たダム湖で湖畔には城跡のある素晴らしい環境でした。
羽毛の洗浄には大量の水が必要ですが、ヨーロッパの地下水は硬水の為に羽毛の洗浄が難しいとされていますが、
アニメックスではドブチツェ湖の水を使って洗浄する為に、
透視度が1000㎜以上に成る綺麗な羽毛に仕上げることが出来るのだと確認できました。
こうして卵の孵化から飼育、そして羽毛加工までの工程がトレース出来るのがアニメックスの精毛です。
当社では、アニメックスの羽毛の中でもトップクラスの高品質羽毛を輸入して、
弊社にて高温パワーアップ加工を施し羽毛のカサ高を洗浄時の状態へ戻すことと高温殺菌を行っています。
その羽毛を、自社内の縫製部門で注文毎に一枚一枚手作業で側生地を仕立て、
羽毛を充填し製品を仕上げて皆様のもとに届けていますので、トレーサビリティを明確にする事を実現させています。
弊社では、中身の見えない羽毛ふとんだからこそ、その製品には何が使われていて、
どの様にして出来たかを説明する責任があると考えておりますので、
自分の目で確かめ、自分で製品を仕立て、実際に使ってみてを繰り返した正直なモノづくりを追求しています。
最後に、今回の視察でもアニメックス社のティノル社長、ソセンコウ部長、ウィサコスキー様には大変お世話に成り、何時も感謝で一杯です。
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